民衆史研究会50周年シンポジウム

下記の通り、民衆史創立50周年を記念した大会シンポジウムを開催いたします。会員、非会員の方にかかわらず、広く皆さまのご参加を歓迎いたします。ふるってご参加ください。

  • 報告
    • 環境と生存
      • 報告:宮瀧交二氏「日本古代の火山災害と民衆」
      • コメント:北原糸子氏
    • 性と生殖
      • 報告:沢山美果子氏「性と生殖からみた近世女性の身体と子どもの『いのち』」(仮)
      • コメント:斉藤研一氏
    • 声と身体
      • 報告:酒井紀美氏「声と身体―日本中世の史料を手がかりに」
      • コメント:藤野裕子

※すべて同一教室で行います

  • 開催趣旨

今年、民衆史研究会は創立から50年という、一つの節目を迎えた。その記念ともなる今回の大会シンポジウムは、「民衆史研究の現在」と題して、「環境と生存」・「性と生殖」・「声と身体」の3セッションを開催する。


このシンポジウムのねらいは、大別して2つある。1つは、民衆史研究をめぐって近年新たに導入されてきた方法について、議論を深めることである。3つのテーマはいずれも、従来、「自然」で「本質的」な事象とみなされ、歴史学において充分に対象化されてこなかったものである。本シンポジウムは、近年、新たな視点や手法によって新たに切り開かれてきたこの3テーマを取り上げることによって、「民衆史研究の現在」を確認し、その未来を展望することを目指したい。


2つめのねらいは、専攻する時代や領域を超えて、民衆史研究の方法についての議論を深めることである。本シンポジウムでは、各セッションの報告者とコメンテーターは、それぞれ異なる時代を専攻する方にお願いした。専門が細分化され、ともすれば時代ごと、地域ごとに議論が限定されがちな近年の研究動向に対し、あえて時代区分や研究対象を超えて議論を交差させ、深化させてゆくことをめざしたい。民衆史研究はこの半世紀、対象とする時代によってそれぞれ独自の展開をしてきたといえるが、他方で、相互の時代の理論的な交流については、意識的に追求されてきたとはいいがたい。今回のシンポジウムが、時代や地域を越えた民衆史研究の方法についての議論を深めて行く契機となれば幸いである。